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福井のエアコン「つけっぱなしVSこまめに切る」どっちがお得?

今や私たちの暮らしにとって絶対に欠かせない必需品となったエアコン。
とくに、毎年記録的な猛暑が取りざたされる真夏は、エアコンの冷房なくしては命の危険を感じるほどです。

その一方で、やはり気になるのが電気代。「少しでも節電になれば」と、こまめにスイッチを切ったり、弱運転にしたり、いろいろと工夫されていますよね。
しかし、それら節電対策は「実は逆効果」という声も。「エアコンは一日中つけっぱなしにしておくほうが電気代が安くなる」という説もあるようです。

果たして、24時間つけっぱなしでエアコンを稼働させる「連続運転」と、こまめに電源をオンオフする「間欠運転」では、どちらが電気代を節約できるのか?
大手空調機メーカーであるダイキン工業の調査内容を参考にしながら、実際のところを探っていきましょう。


目次

1. エアコンの仕組みと消費電力
2. 検証:暖房の場合/冬は長い時間オフにしても電気代はほとんど同じ
3. 検証:冷房の場合/夏は気温や時間帯によって使い分けを
4. おサイフにも、カラダにも、やさしい住空間に!







エアコンの仕組みと消費電力

そもそも、エアコンが最も多く電力を消費するのは、室内の温度を設定温度にまで上げたり下げたりする時。外気温と設定温度との差が一番大きい運転開始直後に、多くの電気代がかかるのです。
逆に、室内が設定温度に達したら、エアコンはその状態を維持する運転に切り替わるので、消費する電力量はぐんと抑えられています。

設定温度になったからといって運転を止めてしまうと室温は元に戻ってしまい、再び運転する時には、また多くの電力が使われてしまうということに。そのため、こまめに電源をオンオフする「間欠運転」は、かえって電気代を高くしてしまうのです。
また、「弱運転」でエアコンを稼働させると、設定温度に達するまでの時間が長くかかるので、こちらも結局、逆効果になってしまいます。

そうした状況から、「最も省エネで節電できる」と言われているのが、エアコンをつけっぱなしにする「連続運転」。エアコンの自動運転モードは、室温を一気に設定温度までにして、その後、消費電力の少ない微弱運転や送風運転で室内温度を保つ仕組みです。運転開始時にも短時間で設定温度にするので無駄な電気代がかからず、連続で運転することで少ない電力をキープすることができるのです。

とはいえ、「24時間つけっぱなしでも、ほんとうに大丈夫?」と不安になりますよね。
大手空調機器メーカー・ダイキン工業が行った検証結果をみていきましょう。

検証:暖房の場合/冬は長い時間オフにしても電気代はほとんど同じ

暖房での検証では、【SRC造・14.1帖】という同じタイプの部屋をふたつ用意。

24時間「つけっぱなし」にしたエアコンと「30分ごとにオンオフ」でエアコンの消費電力量を比較。


すると、暖房においてはすべての時間帯で「つけっぱなし」の方が、消費電力量が小さくなるという結果に。夜間気温が下がり室内と外気温の差が緩和される夏場と比べ、冬場の場合は日中も夜間も室内と外気温の差がつねに大きいことが要因として考えられます。


次に、1日の生活スケジュールを想定して、外出時・在宅時に関わらず24時間「つけっぱなし」にしたエアコンと、外出時および就寝時など「こまめにオフ」を比較すると、わずかですが「こまめにオフ」のほうが電気代がお得という結果になりました。

しかしながら、外出や就寝時など想定した停止時間は13時間。半日以上停止時間があったにも関わらず24時間「つけっぱなし」との差がほとんどないのは注目に値します。


これは、「つけっぱなし」の場合は室内にほとんど変化がないうえに、天井や床、壁に蓄熱されるため少ない電力でエアコンを運転できる状態になる一方、「こまめにオフ」の場合は、日中・夜間の外出時の運転停止のたびに室温が低下し、何度も冷え切った状態から設定温度まで上げなければならず、結果として多くの電力を消費してしまうから。

高気密・高断熱住宅ならば、「つけっぱなし」の効果はさらに高まると考えられます。


頑張ってオフの時間をつくっても電気代にわずかしか差がないのなら、一日中温かい部屋で快適に過ごせる方が良いという考えも方もできそうです。

検証:冷房の場合/夏は気温や時間帯によって使い分けを

ダイキン工業の検証実験では、【鉄筋コンクリート・約14帖】という同じタイプの部屋をふたつ用意し、9:00~23:00まで「つけっぱなし」と「30分ごとにオンオフ」でエアコンの消費電力量を比較。


すると・・・

外気温の高い日中9:00~18:00では「つけっぱなし」の方が消費電力が少なく、外気温が低下する夜間18:00~23:00では「30分ごとにオンオフ」のほうが消費電力が少ない結果に。

これは、外気温が低下することで、オンオフした場合の起動時の消費電力量が小さくなったためと推察されます。


次に、家庭での1日を想定し、日中9:00~18:00までの時間帯に買い物1時間、外食2時間といった外出時間も組み込んだ上で、各部屋のエアコンを「つけっぱなし」と「こまめにOFFにする」で比較。

その結果は、30分程度の外出であれば「つけっぱなし」のほうが電気代が安くなり、30分を超えるようなら「こまめにOFFにする」ほうがお得ということがわかりました。


この検証結果から言えるのは、夏場に冷房を使う際には、気温や時間帯、家を空ける時間などさまざま条件を見ながら「つけっぱなし」と「こまめにOFFにする」を使い分けるのが賢いようです。




参照:ダイキン工業WEBサイト
暖房検証/https://www.daikin.co.jp/kuuki/results/05/index2.html
冷房検証/https://www.daikin.co.jp/kuuki/results/05/

おサイフにも、カラダにも、やさしい住空間に!

冷房・暖房における検証結果を見てきましたが、「結局、なるべくエアコンを使わないのが一番の節約でしょ!」という方も少なくないでしょう。

でも、それは要注意!健康においてはとっても危険な考え方です。


たとえば、ダイキン工業が行った『夏の寝室でのエアコンの使い方』をテーマとするアンケートでは、「タイマーをかけて寝る」人は「つけっぱなしで寝る」人の実に2倍。そして、半数以上の方が「寝付けない」「夜中に起きてしまう」といった問題を抱えており、翌朝スッキリと起きられず、体力も落ちて夏バテの原因に。高齢者の場合は脱水・熱中症のリスクが上がり、実際に死亡事故も起こっているのは周知の通りです。

総務省消防庁では、寝ている間の熱中症予防にエアコンの利用を呼びかけているほど。


比較的温暖な地域での手軽な寒さ対策として、また、健康を害するほどの猛暑に向けて、身近な空調設備であるエアコンは、私たちの健康維持に欠かせなくなっています。健康面への配慮と節電対策のバランスを考えた使い方を知っておきましょう。

さらに、節電効果をより一層上げたいなら、高気密性・高断熱性を考慮した住まいづくりへ目を向けてみることも大切。今回の検証結果を踏まえて、エアコンと賢く付き合う暮らし方を始めてみてください。